喫煙四十年

2018年6月12日

 

この随筆は、筆者、寺田寅彦の喫煙歴に関するものである。

初めてタバコを吸ってみたときの経験から始まり、
喫煙用具のこと、
どのようなタバコを吸ってみたか、
ニコチン依存状態についての記述、
最後は、製煙機械のようなものだ、とまで述べている。

喫煙者がなぜタバコを吸い続けているのかを理解していると、
この随筆の記述が、喫煙者の理由付けの
よくあるパターンであることがわかる。

昭和9年の作品。
80年前も今も喫煙者の言い分は同じなのだと
妙に感心した次第だ。

ちなみに筆者は翌年昭和10年の年末に亡くなった。
死因は骨メタ。原発巣は肺か喉頭か。。。?

「はじめのうちは煙を咽喉へ入れるとたちまち噎せかえり、
咽喉も鼻の奥も痛んで困った、それよりも閉口したのは
船に酔ったように胸が悪くなって吐きそうになった。」

 

「それから飯を食うと米の飯が妙に苦くて脂を嘗めるようであった。
まったく何一つとして好いことはなかったのに、
どうしてそれを我慢してあらゆる困難を克服したか分かりかねる。」

これがタバコの本当の「味」である。
ニコチン依存状態に陥るとこれが分からなくなる。

「喫煙家は考えようでは製煙機械のようなものである。」

・1日に紙巻20本で40年間
・合計20×365×40=292,000≒300,000本
・巻きタバコ1cmで1Lの濃い煙を作ると仮定する
・1本につき3cmだけ煙にすると仮定する(1本3Lの計算)
・300,000本で900,000L≒1,000,000L=0.1m3×106=10m3

「十メートル四角」

「製煙機械としての人間の能力はあまり威張れたものではないらしい。」

物理学者らしいといえばらしい発想。。。

寺田寅彦全集に含まれているが、
ぼくは無料で読んだ。
青空文庫だったか、Amazonの無料だったか。

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